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家庭裁判所に離婚調停を申し立てるときには、申立書を提出する必要があります。
申立書自体はページ数は2ページしかないので、分量的にはそれほど書くのが大変というわけではありません。ただ、実際にご自身で書こうとすると、多くの方が迷ってしまう3つのポイントがあります。
具体的には次の3つのポイントで迷われる方が多いです。
そこで、今回はこの3点について、離婚調停申立書を書くときにどのようにすれば良いかをご紹介します。
(調停申立書 1ページ目)
離婚調停を申し立てる場合、すでに別居をしていることも多いでしょう。
実家にいるような場合で、相手方が住所を既に知っているのであれば、申立書にも実際に住んでいる住所を記載すれば問題ありません。
ただ、DVの事案などでは転居先を隠しているケースがあります。離婚調停申立書は、相手方にも送られますから、申立書に実際の住所を書いてしまうと、相手方に現住所を知られてしまいます。
したがって、まず、相手に現在の住所を知られたくない場合には申立書には絶対に現住所を書いてはいけません。
ではどのようにすればいいかということですが、空欄で提出することは認められていません。そのため、実家の住所や同居していたときの住所など、相手方に知られても問題ない住所を記載して提出しましょう。
なお、弁護士に依頼しているような場合には、弁護士事務所を住所地として提出する場合もあります。
(調停申立書 2ページ目)
離婚調停申立書には、こちらが希望する離婚の条件を記載する欄が設けられています。
離婚の条件にもいろいろありますし、お子さんがいる場合は親権者について、どちらにするかの記載は必須です。
その他、養育費、財産分与、慰謝料、面会交流、年金分割などに関する考え方を記載することになります。
ただ、ほとんどの方が初めてのことで、どう書いて良いかわからないというのが普通だと思います。
ここで意識しておいていただきたいポイントは次の3点です。
まず、離婚調停はあくまでも話し合いの手続きです。
話し合いの解決のために条件が変わっていくことは当然ですから申立書に書いた条件になんらかの拘束力があるわけではありません。そのため、後になって希望を変えることもできる、くらいの気持ちで難しく考えすぎずに条件を書くようにしましょう。
もっとも、裁判所は申立書に記載された条件をベースに相手方と話し合いが進められるかを考えます。また、申立書は相手方にも送られますから、相手方もこちらが希望している条件は把握しているといえます。
そのため、条件を変えることができるといっても、突然希望条件が大幅に変わってしまっては、話し合いをゼロから再スタートするのと同じようなことになりかねません。例えば、慰謝料はいらない、といっていたのに、突然300万円の慰謝料を払ってくれなければ困る、等と主張が変わった場合、前提が大きく変わってしまいます。
そのため、申立書に記載する段階では、とりあえずこちらの希望する条件を自由に言えるならば、といったくらいの感覚で、条件を示すことが適当でしょう。
なお、実際にあった例ですが、調停の途中に相手方の不貞行為が発覚したケースがありました。この場合は、それまで要求していなかった慰謝料を途中から請求することになりましたが、事情の変化があれば当然このような変更もあり得ます。
また、そうはいっても相場がわからない、相手方の経済状況も良くわからない、というような場合もあり得ます。
その場合には、調停で具体的な条件を定めていけば良いので、「相当額」にチェックを付けておけば大丈夫です。
(調停申立書 2ページ目)
離婚調停申立書には、「申立ての動機」という欄があり、○をつけることになっています。
これについてもどれにすればいいのだろうか?と迷われる方が多いです。
この点についてのポイントは次の2点です。
まず、不貞行為、暴力がある場合には、必ず○をしましょう。
なぜかというと、この2つの事情は、法律的には別格な離婚理由だからです。これらの事情がある場合、夫婦関係が破綻したものと評価される可能性が非常に高くなります。こちらの事情がある場合、こちらの離婚の意思が固いことを基礎づける事情と評価して貰えます。
また、仮に相手方が離婚を拒んでいたとしても、調停委員が、「訴訟になった場合には離婚が認められる可能性が高いから話し合いで解決した方がいいのでは?」といった形で説得をしてくれることを期待できる場合もあります。申し立てる側としてこれらの事情があることは調停を有利に進められる可能性が高まりますので、絶対に○をつけましょう。
他方で、不貞行為や暴力がない場合には、あまり迷う必要はありません。
どれに○を付けるかを迷ってしまう場合というのは、例えば「1 性格があわない」なのか、「8 精神的に虐待する」なのかといった場合です。また、「9 家族を捨ててかえりみない」ってどういうことだろう?自分の場合は当てはまるんだろうか?と悩んでしまう場合もあるかもしれません。
結論から申し上げると、前者の例であればどちらに○をつけても大丈夫ですし、両方に○をつけても問題はありません。また、後者の場合でも、○をつけても大丈夫ですし、つけなくても問題はありません。極端に言ってしまえば、よくわからない場合には○を付けておく、くらいの感覚でも大丈夫です。
こんな風にいうと、いやいや、そんないい加減なこといわないでください!と思われたかもしれませんが、ここで書いたことは本当です。それは、離婚調停はあくまでも話し合いだからです。
相手方が納得してくれればこちらがどういう理由で離婚を求めているのかは問題となりません。
もちろん、あちらに納得してもらうために離婚したいと考える理由を説明することはあります。ただ、それは申立書に単に○がついているかいないかという問題ではなく、ある程度具体的な事情を説明する必要があります。
なので、迷った場合にはとりあえずつけておく、というくらいの気持ちで書いていただければ特に問題になりません。
以上、離婚調停申立書の書き方のご案内でした。
チェックを付けるだけの項目も多い文書ですが、意外と色々なことに目を配る必要があることがお分かりいただけたかと思います。
ぜひ参考にしてみてください。