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配偶者が家を出て5年経ったので離婚を求めたところ、財産分与を求められました。家を出ていかれたときの私は収入が少なかったのですが、別居後に事業を興して今は相当な財産があります。別居後の財産も分与しなければならないのでしょうか?
この問題は、清算的財産分与の制度目的から考えていただくと分かりやすいと思います。
財産分与の目的というのは、夫婦が共同生活で協力して形成した財産を離婚に伴って清算するというものです。ですので、夫婦の協力関係が失われた後に形成した財産は清算する必要がないというふうにいわれております。協力関係が失われた後に稼いだものは、自分のものは自分のものになるという原則に戻るということです。
別居の場合は、夫婦の協力関係が失われているといわれておりますので、別居開始時にあった財産が分与の対象になるということになるわけです。
これは見方を変えると別居後に形成した財産は財産分与をする必要はないということになります。
別居に関連して、「単身赴任の場合はどうなるんでしょうか?」というようなご質問が出ることもあります。単身赴任も別居みたいなイメージでとらえられるわけです。
ただ、単身赴任というのは仕事上の都合で一緒に住んでいないだけであって、まだ夫婦の協力関係というのは失われていないと一般的には評価されておりますので、単身赴任を開始した時点を財産分与の基準時とするわけにはいかないと言われております。
ではどの時点を基準時にするのかというと、夫婦の協力関係が崩れたといえる状態になった時点です。典型的には夫婦の一方が離婚調停を申し立てたとか、離婚の合意ができたような場合、その時点は別居と同じく、夫婦の協力関係が失われたといえるので、その時点をもって財産分与の基準時とするというわけです。
このように、財産分与に関連しては「別居開始の時点がいつか?」という点が結構重要な要素となります。
別居開始時がどの時点かによって財産分与で支払う金額、貰う金額にかなり差が出てくる場合もあります。ですので、調停や裁判・訴訟の場合には、別居開始の時点がいつになるのかが争いになることもよくあります。
したがって、別居の開始時点がいつかということに関しては、ある程度証拠をもって後で証明できるようにしておいたほうがいいでしょう。
別居開始時点の財産を財産分与の対象とするということをお伝えしてきましたが、その財産の価格がいくらになるか評価する時点というのは、また別問題といわれております。
例えば、別居開始時に持っていた株がその後の株価の高騰によって2倍に上がったとか、またはマンション等では別居開始時にあったマンションも年数が経っていくと価値が下がってしまいますから、いくらと評価べきなのかという問題が出てきます。
この辺の問題につきましては、専門的な問題でもありますので、ぜひとも弁護士のほうに相談していただければと思います。
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