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面会交流の実現

面会交流の約束をしたのに、相手が守ってくれないというケースも少なくありません。
子を養育する親が他の親と子の面会交流を拒否した場合には、面会交流を直接強制することはできないのが現実です。

欧米では、子と親の面会交流は、「子のため」に必要であるという理解が広まっているようですが、我が国の実務ではまだ、子を養育している親が面会交流に否定的な場合には面会交流に積極的でない運用がなされています(本人申立の調停の場合に、調停委員が、相手の拒否が激しいから当面様子を見たらどうか等といって面会交流を諦めさせようとすることもあるようです)。

1.協議

まず、相手に対し、面接交渉を認めるよう、粘り強く手紙等で働きかけます。
場合によっては、内容証明郵便を出したり弁護士が代理して、面接交渉を認めないのであれば、調停等の法的手続きに出る旨を伝えて相手の再考を促します。

2.調停

面接交渉を拒否されている場合は、当事者間の協議では進展しないことも多いでしょう。
この場合は、家庭裁判所に調停を申し立てます。

  • (必要なものなど)
    申立書,添付書類(両親の戸籍謄本と子の戸籍謄本),申立費用(対象となる子ども1人につき収入印紙1,200円分,切手約800円分)
    申立をするのは相手方の住所地又は合意による家庭裁判所になります。
3.審判

面会交流の調停がまとまらなければ、家庭裁判所に審判を出してもらいます。
手続では、裁判所の調査官が、面会交流を認めることが「子の福祉」にとって適切であるかどうかを調査します。子が相応の年齢になっていれば、子から話を聞くなどしてある程度、子の意思も尊重します
審判でも、子との面会交流を認めるか否かを、専ら子の福祉にかなうか否かという見地から判断します。
考慮されるのは、例えば、以下のような事情になります(審判例より)。

  • 子の意思
  • 面会交流が子の生活関係に及ぼす影響
  • 親権者の意思
  • 面会交流を認めることによる親権者の監護養育への影響等

面会交流審判の中には、面会交流を拒否する母の主張を容れて、面会交流を認めることは子の福祉の観点から望ましくないとして、面会交流を認めないものも多くあります。
なお、妥協策として、父親と母親の面会交流についての信頼関係が形成されるまで、家庭問題を専門的に扱う第三者の立会いのもとで面会交流を実施し、面接交渉の方法等についてもその第三者の指示に従うことを命じた審判もあります。

4.履行勧告

面会交流を定めた調停調書や審判がある場合は、家庭裁判所に履行勧告の申し出をすると、家庭裁判所から相手に面会交流を認めるように勧告をしてもらえます。
履行勧告は、家庭裁判所に電話して依頼することができ、手続費用もかかりません。
ただ、相手が勧告に応じなくても、面会交流を強制することはできません。
それでも、裁判所から勧告してもらうことで、プレッシャーをかけることにはなります。
申立をするのは当該義務を定める審判・調停をした家庭裁判所になります。

5.損害賠償請求訴訟

相手が審判や履行勧告に従わない場合は、面会交流の実現は難しいのが現実です。
やむを得ず、面会交流に応じてもらえないことで精神的苦痛を受けたとして、慰謝料を求める損害賠償請求訴訟を提起するという方法もあります。
面会交流を強制することはできませんが、損害賠償請求が認められてしまうのをおそれた相手が、面会交流に応じてくる可能性があります。
なお、離婚調停で月1回の父親との面接交渉を定めたのにこれを無視した母親に対して、500万円の慰謝料支払を命じた裁判例もあります(静岡地裁浜松支部平成11年12月21日判決-判例時報1713-92)。

  • 母親が父親と別居したのは、親離れしない幼稚な人格の母親のわがままにによるのであり、別居に至る経緯が面接交渉拒否の遠因であるとする母親の主張を排斥し、母親が親権者とはいえ、父親の親としての愛情に基く自然の権利を、子の福祉に反する特段の事情もないのに、ことさらに妨害したということかできる等として、妨害に至る経緯、期間、被告の態度などからして、父親の精神的苦痛を慰謝するには500万円が相当であるとした

ただし、慰謝料が認められるためには、面会交流を認める調停調書や審判があるにも拘わらず、面会交流の趣旨を理解せず子の福祉を無視した身勝手な動機に基づいて面会交流を拒否するような場合に限られるでしょう。