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子どもも成人したので離婚を考えているのですが、友人に相談したところ、夫が退職金をもらってから別れた方が有利だと言われました。夫は58歳なので退職まであと2年なのですが、今離婚したら退職金は財産分与してもらえないのですか?
退職金ですと、場合によっては何千万という金額になることもありますので、財産分与の対象となるかどうかというところは非常に切実な問題といえます。
財産分与の対象となる財産とは何かということからご説明します。
基本的には、婚姻期間中に夫婦で共同して築いた全財産が対象になることとなっています。ですから、退職金が現実に支給されれば、それが財産分与の対象となることは間違いないところです。
問題は、今回のご質問のように、退職前に離婚したらそれは不利なんだろうか?ということです。
これについては色々な考え方があるところではありますが、基本的には、仮に退職金の支給前に離婚した場合であっても、それが支払われる見込みが高い場合には財産分与の対象といえると考えられています。
では、どういう場合に支払われる見込みが高いのかというところですけども、裁判所は基本的に3点ほど考えています。
①就業規則(もしくは労使慣行)
まず、そもそも退職金があるのかどうかという問題があります。これは注意が必要なんですけれども、退職金が具体的な権利としていえるためには就業規則、多くは退職金規定というかたちで定められていることが多いかと思いますけれども、きちんと算定根拠ですとかそういったものが定められていることが必要といえます。
②支給までの期間、③会社の経営状況
2点目ですが、支給までの期間というのもなかなか重要な問題です。例えば40代くらいの方ですとまだ退職まであと10年以上ありますので、10年後に会社がどうなっているかというのはなかなか判断がつかないということで、場合によっては財産分与の対象ではないと判断されることもあると思います。今回のご質問ですと58歳であと2年後ということですので、会社の経営状況等も踏まえて判断されることにはなりますが、ある程度、支給がされれば財産分与の対象とみられる可能性が高いのではないかと思われます。
財産分与の対象となった場合の話ですけれども、そうはいってもまだ退職金は支給されていませんので、その時点で払えというのはなかなか難しいケースもあります。
実際に裁判等で争った場合も、「支給されてから分与をしなさい」というかたちで判断されることが多くなっています。
これは在籍期間と婚姻期間の関係ということなんですけれども、婚姻期間(同居期間)で按分されることが多いということは注意が必要です。
例えば会社への在籍期間40年で婚姻期間が20年の場合、退職金のうち全額ではなくて2分の1が分与の対象となるでしょう。
退職金に関しては、非常に財産分与との関係で金額も大きく影響が大きいところですけども、なかなか裁判例も込み入っておりますので、非常に難しい問題をはらんでいます。
もし退職金が問題になるような場合に関しては、ぜひ弁護士などにご相談いただきまして、積極的な活動をしていただきたいと考えています。
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